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2025.09.19
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SMS
スマートフォンの普及に伴い、SMS(ショートメッセージサービス)はエンドユーザーと直接つながる強力なコミュニケーションツールとして、多くの企業で活用されています。驚異的な開封率の高さ(一説には90%以上とも)と、プッシュ通知のようにリアルタイムで情報を届けられる即時性は、他のどの媒体にもない大きな魅力です。
しかし、その手軽さゆえに、使い方を誤ると大きなリスクを伴います。特に重要なのが「送信元表示」です。
あなたも、知らない番号から届いたSMSを見て、「これは誰から?」「もしかしてフィッシング詐欺かも…」と不安に感じ、メッセージを開かずに削除してしまった経験はありませんか?
どれだけ重要事項や有益な情報を送っても、送信元が不明瞭なだけで、顧客に「怪しい」と判断されれば、開封されることはなくなります。これでは、せっかくの配信コストも時間も無駄になってしまいます。
本記事では、そんな事態を避けるために不可欠な「SMSの送信元表示」について、その種類と特徴を徹底解説します。そして、数ある表示方法の中から、なぜ特定の表示方法が顧客の信頼を勝ち取り、SMSの効果を最大化するのか、その理由を明らかにしていきます。
SMSの「送信元表示」とは、メッセージを受け取った際に、受信者のスマートフォン画面に「誰から送られてきたか」を示す情報のことです。
通常、SMS送信サービスを利用するにあたって「050」から始まるIP電話番号が払いだされます。SMSを送信した際に、この電話番号が携帯電話やスマートフォンの画面に表示されますが、エンドユーザー視点では「知らない番号」であったり、なりすましに見えてしまいます。
そこで送信元表示機能を利用することによって、送信元の情報を可視化し、正規の案内であることを顧客にはっきりと伝えることが可能になります。この表示方法は、利用するSMS配信サービスや携帯キャリアによって異なりますが、主に「指定番号」、「共通番号」、「アルファベット」の3種類に大別されます。
それぞれの特徴を、メリット・デメリットと共に見ていきましょう。
送信者が希望する10〜11桁の番号を受取先に表示する方法です。よくあるユースケースとして、企業が保有するフリーダイヤル・ナビダイヤル(0120・0570)や、市外局番から始まる代表電話番号を送信元として表示するのが一般的です。
■ 高い信頼性
番号をインターネットで検索すれば、送信元である企業名が判明するため、顧客は安心してメッセージを開封できます。
■ 問合せ窓口としても機能
折り返し電話が可能な番号を設定すれば、顧客からの問い合わせ窓口としても機能し、エンゲージメントを高める機会になります。
■ キャリアによる制約
例えば、ソフトバンクでキャリアを契約している顧客には、他のキャリアと異なり、送信元に6桁のショートコードが表示されます。特定の番号を表示させることも可能ですが、SMS送信サービスによってプランや料金が異なることには注意ください。
■ 申請完了まで時間がかかる
各キャリアへ番号を申請したり、設定にするのに時間を要することがあります。時間に余裕を持った状態で行うのがよいでしょう。
共通番号(別名:共通ショートコード)とは、日本の携帯キャリア4社(ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル)の審査を通過した企業に発行される、「0005」からはじまる8〜10桁のSMS専用の番号です。
■ 非常に高い信頼性
全キャリアの審査を通った番号のため、信頼性が高いほか、すべてのキャリアのエンドユーザーで同一の見え方になるため、一貫性も保つことができます。
■ 返信が可能
顧客が返信することができるため、簡単なチャットツールのような運用も可能で、双方向性を実現可能です。
■ 番号の指定は不可
共通番号はキャリア側で割り当てられるため、指定の番号を選ぶことはできません。
■ 申請完了まで時間がかかる
各キャリアへ審査申請が必要なため、指定番号よりも利用開始には時間がかかります。時間に余裕を持った状態で行うのがよいでしょう。
■ スパム誤認のリスク
見知らぬ番号であるため、フィッシング詐欺や迷惑SMSと誤認され、開封されずに削除されたり、ブロックされたりする可能性が非常に高いです。とくに共通番号は「0005」から始まる番号のため、「050」番号と勘違いされることもあります。
■ 電話を受けられない
電話番号ではないため、折り返しの電話を受けることはできません。
電話番号の代わりに、企業名やサービス名などの任意のアルファベット文字列(例: 「TACT Inc.」)を送信元として表示する方法です。
■ 高い視認性
一目で送信元がわかるため、ブランディングに効果的です。
■ 到達率に影響
アルファベット表示は海外サーバーを経由していることが多く、到達率が下がってしまう危険性があります。ただし、海外向けに配信するのであれば、メリットにもなり得ます。
■ なりすましの誤認
番号が表示されていないため、なりすましと誤認される恐れがあり、開封率などに影響が出る可能性があります。
ここまで送信元表示の種類やそのメリット・デメリットについて説明させていただきました。どの方法がいいかは、ビジネスの規模や相性によって変わってくるため、一概には決めることは難しいです。
弊社としては、企業を選ばず使える指定番号表示で、自社のフリーダイヤル・代表電話番号や、問い合わせ窓口の電話番号を指定することをおすすめします。その理由について、比較表と後に続く詳細な説明を用意しました。
現代のエンドユーザーの多くは、見慣れない電話番号からSMSが届いた際、その番号をインターネットで検索して発信元を特定しようとします。株式会社フォレスタが実施した『携帯電話宛の不明な電話番号からの着信に対するアンケート調査2024』によると「携帯電話所有者500名のうち不明な電話番号からの着信に対し『応答しない』と回答した方を対象に『不在応答となった後にインターネットなどで不明な電話番号を調べるか』というアンケートを行ったところ、94.2%の方が『はい』と回答しました」と報告しています。
上記は電話での調査内容であるものの、電話番号を用いるSMSでもかなり近いデータが得られるのではないでしょうか。表示された番号が企業の公式ウェブサイトや問い合わせ窓口に記載されている番号と一致していれば、顧客は瞬時に「このメッセージは信頼できる企業からのものだ」と判断し、安心してメッセージを開封することができます。
顧客がSMSを受け取るたびに、自社の代表電話番号を目にすることで、自然とブランドの認知度が向上します。また、何か不明点があった際に、表示された番号に直接問い合わせができるという利便性は、顧客体験の向上に直結します。
指定番号表示は、国内の主要携帯キャリアを通じてSMSが配信されるため、どの携帯電話に対しても確実に表示されます。そのため、メッセージの到達率だけでなく、その内容が正しく認識される確率も高まります。
共通番号やアルファベット表示にもそれぞれのメリットはありますが、共通番号は「誰からのSMSか分かりにくい」という根本的な課題を抱え、アルファベット表示は「到達率の低下」という重大な課題があります。これに対し、指定番号表示は、エンドユーザーの行動パターンと心理を深く理解した上で、最も高い信頼性と利便性を提供する選択肢と言えるでしょう。
SMSの送信元表示は、単なる技術的な設定ではなく、顧客との信頼関係を築き、ビジネス成果を最大化するための極めて重要な戦略的要素です。
送信元表示のやり方としてはいくつか選択肢がありますが、顧客の多くは受け取ったSMSの番号をインターネットで検索し、発信元を特定しようとします。この行動パターンを考慮すると、自社の代表電話番号や問い合わせ番号など、信頼性の高い「指定番号」を送信元として設定することが、最も効果的であると結論付けられます。
指定番号表示は、顧客に「このSMSは信頼できる企業からのものだ」という安心感を与え、企業識別の容易さを提供し、さらには円滑なコミュニケーションを促進します。これにより、メッセージの開封率向上はもちろんのこと、エンゲージメントの強化、ひいてはビジネスの成長に大きく貢献するでしょう。
SMS戦略において、顧客が安心してメッセージを受け取り、企業への信頼感を高めるためにも、自社の公式な電話番号を指定番号として設定することを強くお勧めいたします。
TACTが提供しているSMSサービスでも送信元表示について、様々なオプションを提供しておりますので、ぜひ一度お問い合わせください。
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