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2025.07.04
ブログ
AIコンシェルジュ
コールセンターDXガイド
あらゆる業界の「声」の課題に、AIが応える。
新連載【コールセンターDXガイド】が始まります。
第2弾は、日々の暮らしに安心を提供する「保険業界」。コールセンターのコストカットからオペレータの負担軽減まで、ボイスボットがもたらす変革の最前線に迫ります。
今後も様々な業界を特集する予定です。
貴社の課題解決のヒントが、きっと見つかります。
保険会社のボイスボット事例:
※弊社事例についてはお問い合わせください。
保険会社が直面する電話業務の課題は、単なる量的な問題に留まらず、複雑性と業界特有の事情が根差しています。お客様の期待値が高まる中、複雑な商品特性と厳格な規制が、コールセンター運営をより困難にしています。ここでは、特に解決が難しい構造的な課題を列挙します。これらの課題は、日々の業務における非効率性や、顧客満足度の低下、ひいては経営コストの増大に直結しています。
保険業界に限った話ではありませんが、少子高齢化の加速と、コールセンター業務への敬遠が相まって、コールセンターでは常に深刻な人手不足に直面しています。特に、複雑な保険商品を扱うには高度な専門知識とコミュニケーション能力を持つオペレータが不可欠ですが、質の高い人材の確保は極めて困難です。さらに業界特有の「保険募集人資格」の保有が必須であり、採用だけでなく、資格取得支援等の継続的なコストが発生するため、サービス・応対品質の維持も困難になりつつあります。
デジタル化の進展に伴い、今日のお客様は単に情報を得るだけでなく、迅速かつパーソナライズされた対応を強く期待しています。従来の画一的な電話対応では満足せず、自身の状況に合わせた的確なアドバイスや、複雑な問題をスムーズに解決できる柔軟な対応を求める傾向が顕著です。特に保険は様々な組み合わせでの加入プランが設けられており、お客様は自身に最も適切なプランの提示を求めています。また、電話だけでなく、ウェブサイトやスマートフォンアプリなど、オムニチャネルでのシームレスな対応も不可欠となっています。こうした高度化・多様化する顧客ニーズに応えきれないことは、顧客満足度低下や、競争他社への流出リスクを高める要因となっています。
保険会社のインバウンド業務は、契約内容の確認、解約の手続き、よくある質問(FAQ)への回答、控除証明書などの再発行作業など、反復性の高い定型業務が大きな割合を占めています。これらの業務は、オペレータがマニュアルに従って一つ一つ手作業で対応する必要があり、膨大な時間を要します。結果として、本来オペレータが集中すべき、より複雑で個別性の高い問い合わせや、突然発生した事件や事故時に、お客様の感情に寄り添う対応に割ける時間が減少してしまいます。
定型業務の多さは決してインバウンドの業務だけではありません。悪質な勧誘防止の意思確認電話や、新規キャンペーンの案内などの反復的な発信業務も多くあります。膨大なリストに架電するだけでなく、お客様が電話に出ないことも多く、何度もかけ直す必要があり、オペレータの多大な時間と労力が費やされています。
保険業界が抱える複雑な電話業務の課題に対し、ボイスボットは革新的なソリューションを提供します。AIを活用した音声対話システムと人間のオペレータがそれぞれの強みを活かすことで、これまでの課題を根本的に解決し、顧客満足度向上と業務効率化を両立する、より質の高い顧客対応を実現します。
業務内容:
■よくあるお問い合わせの対応や、資料請求者への即時フォローなどの営業サポート業務。
■マニュアル化された申し込み作業などの「定型業務」。
役割:
■24時間365日対応で顧客満足度を向上。
■一次受付・FAQ対応の効率化で、入電数の削減とオペレータの専門業務への集中を促進。
■AIによる一貫した情報提供で、顧客体験と応対品質の均質化に貢献。
業務内容:
AIでは判断が難しい突発的な事態や、迅速な人間的介入が必要なケース、ぬくもりのある対応が必要な業務。
役割:
■事故や災害で複雑な感情を伴うデリケートな相談に対し、共感と傾聴で信頼関係を構築し、お客様の不安を解消。
■お客様の状況に応じた商品の提案や、高度な専門知識に基づく綿密な対応。
ボイスボットとは、AI(人工知能)を活用し、人間の声で自動的に電話応対を行うシステムのことです。
従来のIVR(自動音声応答システム)が「○○の方は1番を、△△の方は2番を…」というプッシュボタン操作に限定されていたのに対し、ボイスボットはお客様が話した言葉を直接認識し、自然な対話形式で応答できる点が最大の違いです。これにより、より複雑で柔軟な対応が可能になります。
具体的にどんな業務で活用できるのかを次の章で説明します。
ボイスボットは、保険業界の多岐にわたる業務でその能力を発揮します。以下に、具体的な活用シーンのイメージを挙げます。
お客様が音声で契約者番号や生年月日を伝え、ボイスボットが契約内容を読み上げたり、住所変更や支払い方法の変更といった定型的な手続きの一次受付を行います。これにより、オペレータはより複雑な変更依頼に集中できます。
事故や病気などによる保険金請求の際、ボイスボットが事故状況のヒアリング、必要書類の案内、請求手続きの一次受付を自動で行います。お客様はいつでも進捗状況を音声で確認でき、不安を軽減します。
保険商品の一般的な質問、支払いに関する問い合わせ、契約更新の案内など、頻繁に寄せられる質問に対してボイスボットが即座に回答します。これにより、お客様は自己解決でき、コールセンターへの入電数を削減します。
保険商品の資料請求や、営業時に悪質な勧誘がなかったかの確認電話をボイスボットが担当します。お客様の疑問を解消し、スムーズな申し込みプロセスを支援することで、後追い電話のコストカットに貢献します。
ボイスボットを導入することで、企業は以下の3つの大きなメリットを享受できます。
■定型業務の自動化による人件費の削減。
■24時間対応の実現による機会損失の防止。
■オペレータが有人対応必須の業務に集中できるため、コールセンター全体の生産性が向上。
■「電話が繋がらない」という最大のストレスを解消。
■24時間いつでも問い合わせが可能になる利便性。
■手続き完了までの待ち時間が大幅に短縮。
■単純作業やクレーム対応の一次受付から解放され、精神的負担が軽減。
■より専門性が求められる業務に集中でき、スキルアップやモチベーション向上に繋がる。
■オペレータの離職率低下に貢献。
本記事では、保険会社のコールセンターが抱える電話業務の様々な課題と、その解決策としてのボイスボット活用について解説してきました。
ボイスボットの導入は、単なるコスト削減や業務の自動化に留まらない、戦略的な意味を持ちます。煩雑な定型業務をAIが担い、人間のオペレータが「人にしかできない」高度な判断や、顧客一人ひとりの感情に寄り添う真のエンゲージメントに集中できる、新しい顧客対応の形を創造するものです。
これにより、コールセンターは単なるコストセンターから、顧客体験・企業価値を最大化する戦略的拠点へと変貌を遂げます。オペレータはよりやりがいを感じ、顧客はこれまで以上に質の高いパーソナルなサービスを受けられるようになります。これは、顧客満足度と従業員満足度を同時に高める、持続可能な成長への道筋です。
まずは、契約内容確認や保険金請求の一次受付といった、自動化の効果が見えやすい領域からスモールスタートし、ボイスボットのポテンシャルを実感してはいかがでしょうか。そこから得られるデータと知見は、さらなるDX推進の強力な原動力となるはずです。
株式会社TACTが提供する、AI コンシェルジュ®は、電話対応業務の自動化・効率化で、さまざまな場面で活用されています。電話時に人の発する言葉を音声認識でテキスト化し、辞書やDBと連携・適切な回答を抽出・音声合成で回答することで、音声対話を可能とするAIソリューションです。
国内トップクラスの音声ボット導入実績と、長年のコールセンター運営で培ったノウハウで、サービス導入後も目標達成に向けチューニングを繰り返し徹底的にサポートいたします。また、様々なシステムとの連携が可能となっており、企業ごとにカスタマイズしたフローや音声認識辞書を構築し、複雑な業務も高い品質で実現しています。
コールフローや対応内容によって初期費用や月額費用が異なりますので、まずはお問い合わせください。