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2018.10.19

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代表ブログ(第1回):採用、組織、教育の崩壊からの脱却

メッセージ

U-NEXTマーケティング 代表 溝辺和広

こんにちは、U-NEXTマーケティングの溝辺と申します。こちらのブログで一経営者の観点で情報を発信していきたいと考えています。

<過去の連載記事>

代表ブログ(第1回):採用、組織、教育の崩壊からの脱却

代表ブログ(第2回):僕らがAIコンシェルジュを始めたわけ

代表ブログ(第3回):今後AI化していく中どう行動すべきか

代表ブログ(第4回):変化に対応せざるを得ないサバンナのライオン

今回のブログでは、企業としての採用・組織・教育の考え方についてお話ししたいと思います。 

私たちが組織を作るにあたっては、何度も失敗を繰り返してきました。

その中でも始めの失敗は上流工程にある『採用』でした。会社が成長するに連れ、人材枯渇の状況に陥り、各事業の現場からは、「とにかく人がほしい!」とのオーダーが人事担当者に入ります。人事担当者は早く採用をしないと事業が立ち行かなくなると懸念し、リクルーティング活動に走ります。ここでの大きな間違いが、採用目標人員と時間軸の関係性についてです。

 

人材の枯渇が急遽発生している中で採用を急ぐと、その採用活動の時間が短ければ短い程、当初要求していた人材よりも採用定義の違う人材の採用をせざるを得なくなります。

誰しもが、こんなことぐらい解っているよと、頭の中で解っていながらも、時間軸に押され知らず知らずのうちに、私も恥ずかしながらですが、当初の採用イメージとは違う人材を採用している状況になっていました。当たり前のことですが、あるべき姿があったはずの採用は、時間という軸が一軸増えることによって崩壊したのです。重要なのは、一度原点に立ち返り、時間にとらわれない長期の採用が大事であるということ、まさにそれを痛感しました。

 

人口減におけるかつてない採用難の中、どうやって優秀な人材を採用していくか、特に我々のような中小企業において、名だたる大手企業のブランドにどう勝っていくかが問題です。そこで、大手企業の採用プロセスと就活生の感情を徹底的に研究しました。

 

まず、大手企業は事業ドメインが多すぎて、応募者は何をやるかわからない。更に大手企業は採用分業制をとっており、人事担当と話が盛り上がっても、実際に誰と仕事をやるかわからない。誰と何を。我々はこの二点に採用活動を絞り、何をやるかを、徹底的に話すことにしました。加えて、採用プロセスを極小化し、最悪でも二つのプロセスで内定を出すこと、そして、私自身が説明しコミュニケーションを取り、一緒に働きたいと、メッセージを伝えることにしました。

 

中小企業を含め、各社当たり前にやっていることに今更気づいているようでは遅いのですが(笑)、現在は一定の採用効果と、定着率の成果が出ていると思います。定着率については、採用に加え、『教育』と『組織(構造)』が密接に関わっているため、次にその二つを考えてみました。採用の話はあくまで戦術の話です。戦略ではありません。

さて、教育についてですが、誰しも教育をしなくてはならない、教育が重要と言っているのですが、私はあまり重要ではないと思い、ここでは捨て、優先順位を下げることにします。少し説明すると、昨今情報があふれている現状では、正直のところ、先輩や上司よりGoogleの方が情報を持っているため、解らないことは、ほとんどがGoogleで解決すると考えました。

 

過去のしがらみや、過去の成功体験という誤った共有教育が、柔軟に発想できる機会を奪い、思考停止に陥らせることになるので、先に組織にフォーカスを当て分解していくことにします。

 

まず始めに意思決定プロセスと、顧客接点を可視化してみます。意志決定プロセスが6階層ぐらいあると、最下層の社員は間にいる承認階層レイヤー(主に中間管理層)への忖度や煩わしさを原因に意見を発さず、逆に経営層は、顧客接点の接地面の状況が分からないため改善すべき提案ができていないと、双方から不満が出ます。また、意思決定の伝達がレイヤーを複数通すことで伝言ゲームになり、情報が欠損していき、真意が伝わらない状況に陥ります。

 

そこで、よくある組織の三角構造を、鍋蓋型に変えます。これで、6階層あったレイヤーが2階層から3階層に減りました。すると、中間管理層を排除できたことで、若手社員の成長スピードが上がり、従来の教育と経験による成長スピードを超えたのです。イメージで言うと、3年から4年の経験を積んである程度形になるものが、1年程度で仕上がってきます。

ピラミッド型組織と鍋ふた型組織

当然、経験による判断力等は欠損しているものの、作業効率の観点でいえば、3~4倍の効率化ができているのです。途中、教育は後回しと申し上げましたが、ここで教育の考え方を分解します。先輩が教育する方法は座学とOJTの二つです。

 

先輩がトレーニングするOJTにフォーカスを当てて考えてみたところ、先輩社員のようになってほしい、と思わないことにしました。その理由の一つは、階層を下るにつれ、模範にしたい社員の能力値が100点だとすると、その下のレイヤーに伝わる能力値は、70%掛けで70点がいいところ、更にその下においては、その70%掛けの49点と、2階層下っただけで半分以下になるのです。そこで、意思と責任を持った人が自主的に業務を覚えて仕事し、能力値を自分で高めることにその効果があると感じました。教育においての優先順位を下げたのはこのためです。

 

更に、鍋蓋型組織をチーム単位でクラスター型にすることにより、より専門性が高まります。一年目の社員であろうが、専門性の高い能力を備えざるを得ないので、競合会社やたとえそれが大手企業とでも戦う必要に迫られます。こうして若手社員は、従来の教育から脱却することで、能動的かつ意思を持って行動するようになりました。

 

普段何気なくですが、こういうものだろうと思っていた採用・組織・教育を分解し考えていくと、効果や結果が出ることがわかりました。当社もまだまだ成長過程であり、今後も考え方が大きく様変わりすることもあると思いますが、折に触れ共有をしたいと思います。

皆様もこの失敗を、少し参考にしていただけると幸いです。

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