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2026.02.10
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コールセンター

TACTのBPOサービス『AIコラボコンタクトセンター』では、オペレーターの育成にAIロールプレイングツール(AIロープレ)を用いて、研修や評価の効率化・平準化を実現しています。
AIロープレはその名の通り、お客様との会話を想定した「シナリオ」を作成し、AIを用いたマンツーマンのロールプレイング(ロープレ)実習を行うことが可能です。AIとの応対のあとには、自動的にフィードバックが生成され、一連の実習の良かったところ、悪かったところが表示され、オペレーターが客観的に自分のスキルを振り返ることができます。
今回はTACTのメディアを担当している金高が、TACTのAIロープレ活用の最前線をインタビューしてきました!
話者 TACT渡邊:
TACT BPO事業部営業推進部に所属。東京・福岡など、全国に点在するセンターの運営管理及び新規案件営業を歴任。現在は全拠点における生成AI活用によるコールセンター効率化・省人化を推進中。
インタビュアー TACT金高:
インターン〜入社直後、TACTコールセンターのアウトバウンド施策に従事し、以後AIソリューション事業部へ配属。現在はWEBマーケティング担当として、ブログ記事の作成やPRなどに務める。
渡邊:
まず、AIロープレを最初に導入したのはテクニカルサポート業務です。守秘義務の都合上、詳しい業務内容はお話しできないのですが、24時間体制で機材のトラブル対応などをしています。
テクニカルサポートですので、ただ、スクリプトを読み上げれば良いわけではなく、電話をかけてきたお客様が何に困っているかを特定し、解決方法を正確にお伝えする必要があります。ハードウェア・ソフトウェアともに専門知識の習得が必要なため研修期間が長く、一か月みっちり使ってオペレーターの研修をしています。
金高:
研修期間が一か月もかかるんですね。
僕は営業アウトバウンドの経験しかなくて、研修時間が数日程度でしたが、それでも当時、業務を覚えるのに時間が全然足りなかったような記憶があります。
一か月となると相当量のインプットが必要になってきますよね?
渡邊:
取り扱ってる機材の知識ももちろんなのですが、口頭でヒアリングして解決方法を伝えるため、適切な言葉づかい・わかりやすい説明も重要なポイントとなっています。そのため、オペレーターには、研修期間の前半で機材知識・業務理解・使用ツールの研修・応対マナーなど、様々な知識を身に着けてもらう必要があります。そうなると、どうしても座学の割合が多くなり、中にはインプットに耐えかねて離脱してしまうオペレーターもいます。
また、インプットが多いので、研修期間中に体調不良や怪我でたった2日空いてしまうだけでも、カリキュラムのキャッチアップが難しくなり、進度のズレから次の研修グループへの再参加を案内せざるを得ないということもありました。
このような状態だったため、採用したオペレーターの半数近くは予め決められたスケジュール通りに配置することが難しい状況でした。
金高:
そこまで、大量のインプットが必要となってくると、知識を身に着けるオペレーターだけでなく、研修講師側にもかなり負担がかかりそうですね。
渡邊:
そうなんです。
TACTではずいぶん前からビデオ研修や知識の定着度を測るテスト・クイズなどを活用しているのですが、どうしても研修の進捗に個々の差が出てしまいます。もちろん進捗に応じて講師側でフォローをするのですが、講師とオペレーターの比率が一致していないので、どうしても全員が同時に満足するようなフォローは厳しいのが現実です。
また、研修のカリキュラムの終盤では、現場で活躍してきたスーパーバイザー(SV)や研修講師を追加招集し、実務に出ても問題がないか、ロープレによる電話応対の評価判断をしています。ただ、何十人もいるオペレーター一人ひとりと向き合ってロープレをするため、時間がどうしてもかかってしまいます。テクニカルサポート業務は一回あたりの通話時間が長いのも相まって一日で一巡するのがやっとです。
また、講師側がロープレ対応に手を取られてしまうので、それ以外の時間はオペレーター同士でスクリプトの読み合わせや相互フィードバックなどの時間としていました。しかし、台本の読み合わせだけでは緊張感が少なく、実務経験のないオペレーター同士の相互フィードバックも表面的なものになりやすい傾向もあり、実際の現場とはかけ離れた練習時間となっていました。
金高:
確かに、僕もインターンでオペレーターをやっていたとき、なかなか「はじめましての人」に適切なコメントをするのって難しいなとは思っていました。良いところほめるにしても、悪いところ指摘するにしても、どうしても遠慮がちになってしまって、当たり障りがなさそうなところを探していました。
渡邊:
業務のイメージがついていれば、オペレーター同士でも良いフィードバックを出すことができるとは思うのですが、座学だけでは限界がありますし、管理側で何をどう評価しているのかが伝わりづらいという構造的な問題も絡んでいると思います。
とはいえ、講師側も毎回均一な評価を出せるわけではないというのが実情です。講師も人間なので、バイアスや現場での成功体験に基づく評価を出してしまう傾向は、少なくともあると思います。その結果、同じロープレでも「A先生は〇」「B先生は✕」みたいな評価の違いが表れてしまい、オペレーターを混乱させていました。
金高:
なるほど、ありがとうございます。
今までのお話をまとめると、AIロープレ導入前は下記のような課題があったということですね。

渡邊:
そうです。
AIロープレを活用することで、講師の負担を減らしつつ、研修の均一化や品質向上に貢献できると考えました。
金高:
それでは、実際AIロープレを使ってみてどうでしたか?
渡邊:
そうですね。練習量が純粋に増えたというのが一番大きいと思います。
先ほども言いましたが、人でロープレ研修をするとなると、否応なしにマンツーマン形式になってしまうので、大人数相手には非効率という課題がありました。AIでロープレを並行してできるようになったので、研修時間の圧縮、進捗の均一化という点ですごく助かっています。AIロープレは講師やSVなしに実施することができるので、空いた時間でオペレーターに再度ロープレを促して、対面ロープレや本番までに自信がつくまで反復練習できる環境になったなと感じます。
また活用前は、オペレーターの実務デビュー後から受ける相談に「もっと練習したかった」という声もあったので、心理的な安心感も提供できるのではないかという期待もあります。そのため、今は対面ロープレの前と、対面ロープレ後でAIロープレをそれぞれ実施してみて、どちらがよりスクリプトや知識の定着が良いか確認をし、オペレーターの自信や習熟にどれくらい直結するか検証しています。
金高:
最近は生成AIの進化が凄まじく、SNSとかで否定的な意見が散見されますが、AIロープレに対する現場から否定的な声とかはなかったですか?
渡邊:
TACTでは研修のカリキュラムにAIロープレ実施が含まれていることをお伝えしている影響もあるとは思いますが、拒絶反応なく受け入れられているように思います。
むしろ、AIが出すフィードバックについても箇条書きで「なにができていた・できていなかった」を伝えてもらえるので、オペレーター側もどこを直せばいいのかがすぐわかるようになったのではないかと考えています。
金高:
個人的には、人では結構見落としがちな「枕詞・クッション言葉」まで評価できるのはすごくいいなと思います。僕自身、業務中に先輩やSVから何度も指摘されて、定着まで結構時間がかかった記憶がありますので、早い段階から意識できるのはいいですね。
金高:
とはいえ、AIロープレ自体はツールだと思っておりまして、効果を出すためには相応の「工夫」が必要だったのではないかと考えています。なにかTACTとして特別なことをしましたか?
渡邊:
そこまで特別なことをしたつもりはないですが、強いて言うならばAIロープレに落とし込むにあたってシナリオを吟味しました。業務のシナリオやフロー自体はクライアントから提供されたものの、実際にどのシナリオが研修として効果があるのかというところはしっかり考えながら選定をしていました。
評価についても、商品名の確認、復唱をしっかりとしているかなどの基本的なコールセンターのモニタリング評価が反映されているかなどは確認していました。
金高:
まぁ、長年コールセンター業界にいると「当たり前」のことなのかもしれないですね。でも逆に、それはTACTが基本的なところをおろそかにせずに、コールセンターを運営してきた証拠でもあるのかなと思いますね。
さらっと言っていますけど、研修用に選定するシナリオも、そういったコールセンターのノウハウがあるからこそ「何が適切か」判断する軸があったんだと思います。
渡邊:
そうかもしれないですね(笑)。そういう意味で言うと、コールセンターを受託するにあたってはクライアントからいくつか要件の指定があったりはすることは往々にしてあって、このカスタマーサポートの業務も先方から読み上げる文字数の制限を受けています。
金高:
業界の人間じゃないとピンと来ないかもしれないですが、人間が一分間で話せる文字数は300文字と言われていますので、そこから逆算して通話時間(ATT)をコントロールして、コールセンターがパンクしないようにするためですね。
渡邊:
その通りです。このクライアントさんからは1,800文字近くに収めるように言われています。なので「ATTを6分程度にしなさい」ということですね。
AIロープレでは、AIとの応対終了後に合計通話時間も表示されるので、先ほどのATTにあわせるようにフローやシナリオを設計して、会話のスピード感をオペレーターに体験してもらえるようにしています。
金高:
ATTと応対品質を同時に意識しながら運営しないといけないのがインバウンド型のコールセンターの難しいところだとは思いますが、フローやシナリオの設計によって一挙両得な研修が可能になったといういい事例ですね。
金高:
ということで、ここまでのインタビューを通じて、AIロープレ導入のビフォーアフターをまとめてみました。

金高:
こうしてみると、AIロープレの効果がすごく出ているように見えますが、ただこれってほかのBPO会社さんでもこれくらい効果がでるものなのでしょうか?
渡邊:
しっかり、マニュアルやフローなどが明文化されていて、誰が読んでもわかるような状態になっていれば可能だと思います。しかし、コールセンターの対応は「人」のスキルにかなり属人化する傾向がある業界でもあり、AIに学習させるドキュメントが整理されていなかったり、最新のツールに対してやや取っつきにくい文化があるのではないかと思います。
TACTは2018年からAI事業をはじめていて、AI事業側で得た知識やノウハウをBPO側に逆輸入していた背景もありますので、自動化・DX化についてはスムーズに推進できる体制が整っていたことは今回のAIロープレの成功に大きく影響したのではないかと思います。
金高:
最後に、今後のTACT内でのAIロープレの活用構想があれば教えてください。
渡邊:
AIロープレを他の施策でも使えるようにすることですね。
実際にもう汎用的なシナリオの作成に着手していまして「注文受付」のような業務内容がどのクライアントでも親和性のあるものから進めています。また、インバウンドだけでなくアウトバウンドのシナリオも将来的には作成したいと考えています。
アウトバウンドですと、適切な「アウト返し」や、スムーズなクロージングができているかという点も評価したいと考えています。そのため、いくつかのパターンをランダム化して、オペレーターが状況に応じた案内ができるようにしたいと考えています。
TACTの「テクノロジーで新たなオペレーション価値を生み出す」というモットーを忘れずに、今後もコールセンターの業務改革に努めていく所存です。
金高:
渡邊さん、お忙しいところありがとうございました!
TACTはAIボイスボットベンダーの印象が強い会社かもしれませんが、現在もコールセンター・コンタクトセンターを運営しています!
本記事の下部に、AIロープレをはじめとした様々な最新AIを活用している『AIコラボコンタクトセンター』の紹介も掲載していますので、ご興味のある方はぜひあわせてご覧ください!
「AIコラボコンタクトセンター(AICC)」は、最新のAI技術と、TACTがこれまで培ってきたコンタクトセンター運営のノウハウを融合させた、AIと人が協力して顧客対応を行う新しいサービスです。
AICCはコールセンター・コンタクトセンターが直面する人件費高騰、人材不足、業務の属人化といった様々な経営課題を解決することができます。「4つのDX(デジタル変革)」を軸に業務を最適化し、速く、正確で、低コストな顧客対応を実現します。

● コールのDX:
AIによる電話の自動応答・発信で24時間365日対応を実現します。定型業務の自動化により、オペレーターはより複雑な問い合わせに集中できます。
● ノンボイス・後処理業務のDX:
通話内容の自動テキスト化や要約により、対応履歴の作成といった後処理業務の時間を大幅に削減(20%~50%削減実績)します。
● 運用のDX:
AIが問い合わせ内容を分析し、FAQの検索精度向上や新規作成を支援します。これにより、オペレーターの回答品質を平準化します。
● 人材育成のDX:
AIを相手にしたロールプレイング研修により、研修工数を大幅に削減(管理者工数90%削減実績)し、オペレーターのスキルアップを効率的に促進します。
これらのDXを通じて、コンタクトセンター業務全般の効率化と大幅なコスト削減、そして顧客満足度の向上を同時に実現します。 導入は、お客様の課題分析から始まり、最短2週間で開始可能です。深夜帯や繁忙期のみといった柔軟な運用にも対応いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。