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2026.02.27
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AIコンシェルジュ
導入事例
自治体
USEN&U-NEXT GROUPの株式会社TACT(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:溝辺 和広、以下、TACT)は、2025年11月25日から2026年1月31日まで、愛知県名古屋市へ先進技術を活用した社会実証プロジェクトの一環として、生成AI・自動架電を活用した国民健康保険料の納付促進を実施いたしました。
このたび実証実験での実績の集計が完了し、生成AIによる分析を用いた運用の結果、納付率が4.4%改善したため、成果と今後の展望についてお知らせいたします。

愛知県名古屋市では、国民健康保険料の徴収業務において、限られた職員リソースで複雑化する業務に対応し、収納率を向上させることが急務となっています。徴収業務の一つである電話催告では、日中の限られた時間内に職員が網羅的に架電する手法が取られており、不在率の高さや職員の心理的負担が課題となっています。また、外国人市民の増加に伴う多言語対応も急務となっています。
本プロジェクトでは、TACTが持つAI音声対話技術と生成AI・機械学習モデルによる高度なビッグデータ解析を組み合わせ、電話催告業務の効率化に取り組んでいます。
過去の膨大な滞納データや架電履歴を分析し、無作為な架電から「つながる時間に、つながる言語でかける」効率的なアプローチへと転換し、かつ、未納になる前の納期前にAIが自動で架電し早期勧奨を行うことで、納付率の向上を目指します。
<プロジェクトの概要図>

(1) セキュリティと品質を両立するAI音声対話技術
本実証プロジェクトでは、行政機関の高いセキュリティ要件を満たすLGWAN環境下において、高性能な音声認識エンジンと肉声に極めて近い自然な発話を実現する音声合成エンジンに、TACTのコールセンター運用ノウハウをもとに作成されたAIを組み合わせたボイスボット「AIコンシェルジュ®」を稼働させます。
本技術の最大の独自性は、TACTが長年のコールセンター運営受託事業で培ってきた「熟練オペレーターの対話ノウハウ」を実装している点にあります。単調なシナリオの読み上げではなく、市民の曖昧な回答に対しても、文脈を解析して適切な切り返しを行うことが可能です。また、個人情報の分離・マスキング処理といった運用コストや漏洩リスクを最小化し、セキュアかつリアルタイムな自動架電の運用が可能です。
(2) 生成AIと機械学習モデルによる「ゴールデンタイム」の特定
本実証プロジェクトでは、TACTが所属するUSEN&U-NEXT GROUP独自の生成AIを「専任のデータサイエンティスト」として活用し、従来の機械学習モデルと組み合わせながら、滞納者の属性データ(年齢、所得区分など)や過去の交渉履歴などのビッグデータを解析しました。年齢層と所得層を組み合わせたセグメンテーション分析を行った結果、ターゲットごとに最も電話が繋がりやすく、かつ話を聞いてもらいやすい時間帯である「ゴールデンタイム(午前7~9時台、若年層は夕方、高齢者層は昼時間帯など)」を特定しました。
(3) 納付を促す仕組み
電話による音声での案内にとどまらず、通話中にSMS(ショートメッセージサービス)をシームレスに連携させる技術を導入しています。若年層を中心とした「電話での会話を好まない層」や「その場での手続きを希望する層」に対し、AIが通話内で承諾を得た直後に、口座振替のWeb申込フォームURLを即座に送信します。これにより、市民の「納付しよう」という意思が冷める前に、その場でデジタル手続きへと完結させるスムーズな動線を構築し、行動経済学的な「ナッジ(行動を促す仕組み)」を技術的に実装しています。

これらの技術を使って、11月から納期前の国民健康保険加入者を対象に、実際にAIによる架電を開始いたしました。1月からは、(2)で得られた仮説を元に、架電の時間や内容をターゲットごとに変えて収納率の変化があるか検証を行っています。加えて、増加する外国人住民への対応として、英語・ベトナム語に加え「やさしい日本語」を用いた多言語AI架電機能を実装しています 。言葉の壁による未納リスクを技術的に解消し、インクルーシブな徴収業務を実現します。
実証期間中の内、「生成AI分析前と生成AI分析後の架電結果」と「架電対象者・非架電対象者の納付率」をそれぞれご報告いたします。それぞれ生成AIの分析前はAIコンシェルジュ®での架電のみ、生成AI分析後は生成AIを活用して架電時間や内容を変更した上での架電を行っており、その結果となります。
■架電実施結果

※1 AIコンシェルジュ®の案内において最後まで案内に至った件数
※2 具体的な要件を伝える前の切断のこと
生成AI分析前の結果と比較して生成AIを活用後の結果では、架電の指標である完了数が約1.2倍に増加しました。また、完了率、冒頭切断を除く完了率においても1.9%向上しており、自動架電における勧奨効率が確実に高まっています。この結果、最終的な成果である「納付率」においても改善が見られました。生成AIによる分析をもとにした運用の変更が成果の向上に寄与したことから、生成AIの活用による運用の変更が有用である結果となりました。
■架電対象者・非架電対象者の納付率※3

※3 架電対象者・非架電対象者のどちらも携帯電話のみ登録がある方を対象とした
架電を行った対象者と、行わなかった対象者(非架電対象者)の納付率を比較した結果、非架電対象者の納付率が58.0%であるのに対し、架電対象者は62.4%と、4.4%高い結果となりました。この結果より、AIコンシェルジュ®を用いた能動的な案内を行うことが、納付率の向上に効果的であることが示されました。
今回の実証実験では『AIコンシェルジュ®』と生成AIを活用することで、未納を防ぎ、納付の促進に貢献することを実証いたしました。今後は愛知県名古屋市での本格的な運用に向けての協議を行い、愛知県名古屋市の国民健康保険料未納ゼロの目標達成に向けて両社で検討をしてまいります。
【『AIコンシェルジュ®』について】
『AIコンシェルジュ®』は、AIを活用した電話自動応答システムです。
通話時に人の発する言葉を音声認識でテキスト化し、辞書やデータベースと連携して適切な回答を抽出、音声合成によって回答するAIソリューションです。受電・架電どちらも対応可能なため、様々な電話業務を自動化することが可能です。

『AIコンシェルジュ®』サービスイメージ
『AIコンシェルジュ®』詳細はこちら:https://www.tactinc.jp/ai
*本プレスリリースに記載されている社名および製品名などは、TACTの商標または登録商標です。
■会社概要
【TACTについて】
BPO・コールセンターオペレーションを軸に、注目されているAI技術・ICT技術を駆使し、コールセンターの効率化・コスト削減をサポートしています。電話自動案内サービスをはじめSMS送信サービスや窓口DXサービスなどを通して、お客様とのコミュニケーションが発生する業務の自動化・効率化やサービス向上を目指しています。
会社名 :株式会社TACT
所在地 :〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1丁目3番10号 田村駒東京本社ビル5F
代表者 :代表取締役社長 溝辺 和広
事業内容:AIコンシェルジュ事業、RPAコンサルティング事業、コールセンター受託運営事業
URL :https://www.tactinc.jp
【報道関係者からのお問い合わせ先】
株式会社U-NEXT HOLDINGS 広報部
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【お客様からのお問い合わせ先】
株式会社TACT AIソリューション事業部 野矢
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